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珊瑚の白化が始まって水深100mまで海水温は上昇傾向、30度線が日本海へ

 先日、【海水温30度線もどんどん北上、2013年の夏、各地で大雨、気温上昇】に書きましたが、今年の海水温は相当に高めです。台風第11号は海水温からパワーを集め強い勢力のまま、香港方面に突入するようです。

 まずは、珊瑚白化(死)情報の収集活動が日本サンゴ礁学会で始まっているのでお知らせです。ダイビングをされる方が居られましたら、情報共有をしてあげてくだいね。

 さて、今年の海水温上昇は台風が発生しないことが大きな影響であることは間違いないでしょう。気象庁の解説によると、一度台風が駆け抜けると、一時的に海水温を3度ほど下げて、最終的には1度程度の水温低下になるようです。3回台風が来たら、3度下がるということです。

 仕組みとしては、強い風で海水面を冷やす、一度雲になった冷たい水を落とす、海底の冷たい水を引き上げる、という3点 だそうですが、皆さんお気づきのようにすでに外気は相当に暖かく、高知県四万十市では日本記録となる41度まで上昇しました。清流四万十川の生き物たちへの影響も心配されています。

 そして、外気のみならず、海底の方も海水温が上昇傾向にあります。沖縄近海の海底50mと100mの今年と去年の温度の違いを比較してみましょう。左が2012年、右が20113年となります。

 50m
水深50mの海水温比較

< (c) 気象庁 >

 100m
水深100mの海水温比較

< (c) 気象庁 >

 水深50m、100mともに昨年より水温があがっていることが確認できるとおもいます。台湾沖では水深50mでも30度を超えており、沖縄沖でも29度が確認されています。恐らく、一度台風が来ただけでは、海底の海水温が高いため大きな水温低下は期待できないでしょう。

 更に上昇すれば海底50m付近のまでの珊瑚も白化することになります。ここ数年でサンゴが白化から回復した自然の治癒力はすばらしいものでしたが、海底で生き残ったサンゴたちの影響は大きかったとおもいます。海底の珊瑚が白化した場合は治癒にも時間がかかることになります。

 さて、海面温の方ですが、ついに、海水温30度線が対馬沖まで足を伸ばしてます。思ったよりも脚が速いです。
sstD_20130812

 今後さらに日本海側に入り込むものと思われます。北海道の日本海側は更に温かい海水に覆われることになります。

 自然に対して自分は無力です。記事を書きながらなにが出来るだろうと考えます。例えば、各家庭の氷を持ち寄り海に投げ入れてはどうだろうか?いや、冷凍庫の排熱があるからダメか。熱が地球に残らないように人工衛星で製氷したらどうだろうとか。

 でも、行き着くさきは何も出来ないです。この海水温が巻き起こす異常気象にただただ備えるしかありません。

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